損益改善:利は元にあり!! 原価とは?

公開日:2024.04.11

「入るを量って、出ずるを制する」という言葉があります。

これは二宮尊徳(金次郎)の経営再建の思想で、

「収入を計算して、それに見合った支出を心がける」という心構えを説いています。

 

中小企業では、「出ずるを制して、入るを量る」の方が適していると思います。

「出ずる」は支出のことです。支出するのは「当社」の側であって、社内の意思で支出を増やすことも、減らすこともできます。

 

しかし、「入る」方は、相手があることです。収入とは相手の意思に多くを依存します。相手の意思(収入)を左右するのは簡単にできませんが、社内の意思で、支出を左右することは、今日からでもできます。

身近なところから、すぐに結果が出る原価管理について、お伝えします。

利は元にあり!!

最初に損益計算書の構造を確認したいと思います。

借入金の返済は、一番下から行うことになります。

赤字補てんとして借りたコロナ融資(ゼロゼロ融資)をこれまでの借り入れと合わせて返済することは、十分な利益を確保していないと困難です。 

では、十分な利益を確保するためにどうするか?

 

例えば、おにぎり1個を150円で売るとします。

(材料費35円、労務費25円、その他経費30円)

 

 利益=売上高-原価

 

 

利益60円=売上高150円-原価90円(35円+25円+30円)

 

おにぎり1個60円の利益を80円に増加させたい場合、

 

  手段1:売価を150円から170円に上げる

 

  手段2:原価を90円から70円に下げる

 

どちらが着手しやすいかといえば、やはり外との関係である売価アップ(値上げ)よりも、

 

まずは、内部の経営努力で出来る原価(コスト)ダウンを優先されることと思います。

 

利は元にあり!です。

 

元とは、仕入(材料費)、外注費などの原価(製造原価)を指します。

 

つまり、利益アップは原価管理からです。

原価とは何か?

普段なにげなく使う「原価」という言葉、なんとなく理解している方も多いと思います。

 

まずは、「原価」について、簡単に説明します。

ある製品を売ろうとするとき、「その製品を売るまでにいくらかかるのか?」が分からなければ、正しい値段がつけられません。

 

高すぎる値段で売れなかったり、低すぎる値段で利益が出なかったりします。

 

だから、適正な価格をつけて、お客様に多く買っていただくためにも、

「原価はいくらか?」を把握することは重要なのです。

 

まずは、その商品を1個売る・その製品を1個作るのにいくらかかるのか?

 

売上原価・製造原価を知ることが損益改善の第一歩になります。

あなたの会社は原価管理で損をする!?

中小企業の99%で、行われている原価計算の特徴について、例を挙げてお話します。

 

ある工場でエアコンを製造し、1台5万円で販売していたとします。

 

従業員は2人、給料は1人あたり月30万円(固定給)なので、
月の人件費は固定額で60万円になります。

 

なお、エアコン1台を作るために必要な材料費等は、話を分かりやすくするために無視します。

 

【問題】  利益が大きいのはパターン1、パターン2のどちらでしょうか?

回答・解説は次号でお伝えします。

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